延禧洞の路地の奥に、濃い色の建物が一棟立っている。8月21日からその中へ人が入れるようになった。パク・ソボが暮らしながら絵を描いていた場所のすぐ隣である。西橋洞と平倉洞でも同じことがあった。韓国のタンセクファを代表する三人の画家が住んでいた家が、三か月のあいだに順にひらいたのだ。
報道が長く扱ったのは、その空間の美しさである。絵具の跡が染みた床、天窓から差し込む光、古家具と陶磁器。ただし検索して入ってきた人が知りたいのは少し違う。予約が要るのか。いくらか。月曜に行ってもよいのか。三か所の答えがすべて違い、その差がかなり大きい。
- パク・ソボ美術館 西大門区 延禧路24キル9-54 ・2026.8.21 開館 ・火〜日 11:00–18:00
- ユン・ヒョングンの家 麻浦区 西橋洞 ・2026.9.1–10.17 公開 ・事前予約 回次制
- キム・チャンヨル 画家の家 鍾路区 平倉7キル74 ・2026.5.28 開館 ・火〜日 10:00–18:00
- 予約が必要: ユン・ヒョングンの家 一か所のみ ・残る二つは現場発券
- 観覧料:パク・ソボ 5,000ウォン ・キム・チャンヨル 大人5,000ウォン ・ユン・ヒョングン 20,000ウォン
- 三か所とも 月曜休館 ・キム・チャンヨルは1月1日と旧正月・秋夕の当日も休み
- パク・ソボ美術館の開館展は 2027年1月3日まで、ユン・ヒョングンの家は 10月17日で閉じる
- 2026年8月28日 各機関の公式案内での確認による
三か所はそれぞれどこにあり、いつひらくのか
延禧洞の パク・ソボ美術館は8月21日に扉をひらき、火曜から日曜の11時–18時にひらく。西橋洞の ユン・ヒョングンの家は9月1日から10月17日までのみ公開する。平倉洞の キム・チャンヨル 画家の家は5月28日に開館し、火曜から日曜の10時–18時に観覧できる。三つとも月曜には扉をひらかない。出典:パク・ソボ美術館 公式ABOUT 運営時間 ・PKMギャラリー 公式 展覧会日程(Yun Hyong-keun House、9.1–10.17)・鍾路文化財団 キム・チャンヨル 画家の家 ご利用案内(2026.8.28 確認)
三つの家がひらいた経緯は、それぞれ違う。キム・チャンヨルが30年あまり使っていた平倉洞の自宅は鍾路区が引き継いで区立の施設へ変え、ウ・ギュスンが設計したこの建物は2022年、ソウル市優秀建築資産第13号に登録された。ユン・ヒョングンの西橋洞の家は、遺族側のユン・ヒョングン・エステートが運営する。パク・ソボのほうは少し違う場合である。住んでいた家をそのままひらく代わりに、財団の建物の隣にチェ・ムンギュが設計した新しい美術館を建て、その中に作品を掛けた。
性格が分かれる理由がここにある。二か所は画家が食事をし眠っていた部屋をそのまま見せる。一か所は新しく建てた展示場だ。何を見に行くかを決めるうえで、この違いは思ったより大きく効く。
| 区分 | パク・ソボ美術館 | ユン・ヒョングンの家 | キム・チャンヨル 画家の家 |
|---|---|---|---|
| 街 area | 西大門区 延禧洞 | 麻浦区 西橋洞 | 鍾路区 平倉洞 |
| 公開 since | 2026.8.21 | 2026.9.1–10.17 | 2026.5.28 |
| 予約 booking | 現場発券 | 事前予約必須 | 現場発券 |
| 観覧料 admission | 5,000ウォン | 20,000ウォン | 大人5,000ウォン |
| 開廊時間 hours | 11:00–18:00 | 回次制 | 10:00–18:00 |
| 入場締切 last entry | 17:30 発券締切 | 回次の開始時刻 | 17:30 |
| 休廊 closed | 月 ・旧正月・秋夕の当日 | 月 | 月 ・1.1 ・旧正月・秋夕の当日 |
| 運営主体 operator | パク・ソボ財団 | ユン・ヒョングン・エステート | 鍾路区立 |
各機関の公式案内による ・2026年8月28日確認。ユン・ヒョングンの家の料金と定員は、8月25日の記者懇談会を伝えたアジア経済の報道による。
予約をしないと入れないのか
三か所のうち ユン・ヒョングンの家 一か所だけ が事前予約制である。回次ごとに8名ずつ、ドーセントとともに回る方式だ。パク・ソボ美術館は公式の訪問案内に「予約なしで現場発券にて入場できます」と記し、11時から入れて17時30分に発券が終わる。キム・チャンヨル 画家の家も予約の手続きが別になく、2階の券売所で券を買う。出典:パク・ソボ美術館 公式 訪問案内 ・鍾路文化財団 キム・チャンヨル 画家の家 施設・ご利用案内 ・アジア経済 2026.8.25「黒い門を過ぎて、画家の住んでいた家へ」
この箇所が、いま検索でもっとも食い違いやすい点だ。三か所がひと括りに報じられるので、すべて予約が要ると思い込んで、はじめから諦めてしまう場合が出てくる。ではなぜ一か所だけが予約を取るのか。答えは後で扱う。ひとまず残る二つは券を買った瞬間に入れるし、キム・チャンヨル 画家の家も変わらない。
ただしパク・ソボ美術館には、時間を合わせて行く理由がひとつある。ドーセント・ツアーが平日(火〜金)14時、週末は14時と16時にひらかれ、現場参加で運営される。作品42点をひとりで回るのと、説明を聞きながら回るのとでは、感じ方がかなり違う。
観覧料はいくらか
パク・ソボ美術館の開館展は 5,000ウォンである。キム・チャンヨル 画家の家は大人5,000ウォン、青少年3,000ウォン、子ども2,000ウォンで、6歳以下と65歳以上は無料だ。ユン・ヒョングンの家は 20,000ウォンで、三つのうち四倍高い。ドーセントの付く少人数の回次制なので、料金の構造がそもそも同じにはなりえない。出典:パク・ソボ美術館 公式 展覧会詳細(開館展の観覧料5,000ウォン)・鍾路文化財団 ご利用案内 観覧料の表 ・アジア経済 2026.8.25
| キム・チャンヨル 画家の家 観覧料 | 個人 | 団体 20人以上 |
|---|---|---|
| 大人 25–64歳 | 5,000ウォン | 3,000ウォン |
| 青少年 13–24歳 | 3,000ウォン | 1,800ウォン |
| 子ども 7–12歳 | 2,000ウォン | 1,200ウォン |
| 6歳以下 ・65歳以上 free | 0ウォン | 0ウォン |
| 鍾路区民 ・韓服着用者 50% off | 2,500ウォン | 1,500ウォン |
鍾路文化財団 公式ご利用案内 ・姉妹・友好都市の住民も50%減免。減免額は公式の表の50%規定を適用して計算した。
パク・ソボ美術館とキム・チャンヨル 画家の家は、子ども・青少年の料金や減免の幅で分かれる。キム・チャンヨル側は区立の施設なので、年齢別の料金表と減免の条項が細かい。パク・ソボ美術館は公式の展覧会詳細に観覧料5,000ウォンの一行だけが記されているので、年齢による割引は現場で尋ねねばならない。
ユン・ヒョングンの家がとりわけ厄介な理由は何か
公開の期間が 9月1日から10月17日までの47日だけで、その後は2027年から春(4〜6月)と秋(9〜11月)のシーズン制でしかひらかない。回次あたり8名の制限と2万ウォンという料金も、ここから出てくる。人が実際に住んでいた木造の天井の2階建ての家なので、一度に多くの人を受け入れにくい。出典:PKMギャラリー 公式 展覧会日程 ・ヘラルド経済 2026.8.27「タンセクファの巨木ユン・ヒョングン…『家』で彼の生と芸術を振り返る」・アジア経済 2026.8.25
四倍という開きはどこから来るのか。この家の来歴に答えがある。土地をはじめに分譲されたのはユン・ヒョングンではなく、義父のキム・ファンギだった。1963年に国民住宅として受けた場所にユン・ヒョングンが1967年から住み、1983年に旧い家を壊して建て直した。設計は弘益大学建築科の教授だった弟のユン・ドグンが担ったが、ユン・ヒョングン本人が機能と素材まで見たという。
1階のアトリエの床には、絵具の跡がそのまま残っている。カンヴァスを寝かせて描いたからだ。2階の居間には古家具と陶磁器、オーディオ、秋史 金正喜の扁額、そしてドナルド・ジャッドの彫刻が元の場所を守る。ジャッドの作品はユン・ヒョングンが自ら買い、生涯そばに置いた。奥の間は妻キム・ヨンスクを偲ぶ部屋として設えた。
ではなぜよりによっていまひらくのか。ニューヨークのジャッド・ファウンデーションで、10月8日から2027年1月9日までユン・ヒョングンの招待展がひらかれる。1993年にジャッドの招きで個展がひらかれた、まさにその場所である。
一日で三か所を全部見られるのか
可能だが余裕はない。延禧洞・西橋洞・平倉洞は互いに違う三つの区に散らばっていて、三か所の運営時間が重なる区間は 11時から17時30分までの六時間半だ。ユン・ヒョングンの家の回次をまず押さえ、残る二つを前後に付ける順序が現実的である。出典:三機関の公式運営時間の対照(2026.8.28)・パク・ソボ美術館の発券締切17:30、キム・チャンヨル 画家の家の入場締切17:30
距離で見れば、延禧洞と西橋洞が近いほうだ。延禧洞から弘大のほうの西橋洞まではバスで短くつながる。平倉洞は北漢山の麓なので少し離れており、駐車場がないため支線バス8003番「キム・チャンヨル・ユン・ミョンノ画室」の停留所を使うことになる。
あなたが一日で全部回るつもりがないなら、順序はこう決まる。扉を閉じる日付がもっとも急ぐのはユン・ヒョングンの家である。10月17日以降は来年の春まで待たねばならない。パク・ソボ美術館の開館展は2027年1月3日まで、キム・チャンヨル 画家の家の開館展《キム・チャンヨル、水滴の痕跡》は12月20日まで続く。
いまあわせて見る値打ちのある展覧会は何か
三清洞の PKMギャラリーで《ユン・ヒョングンを想像し直す》が8月26日から10月3日までひらかれる。1970年代の初期作から晩年の韓紙の仕事まで30点あまりを、PKMとPKM+の二つの空間に掛けた。商業ギャラリーなので観覧料の項目がなく、火曜から日曜の10時–18時にひらき、最終入場は17時30分である。出典:PKMギャラリー 公式 展覧会ページおよび観覧案内(pkmgallery.com、2026.8.28 確認)
順序を決めるなら、三清洞で絵を先に見て西橋洞の家へ行くほうが自然だ。黒い色面ばかりを見たあとで絵具まみれの床を踏むと、同じ絵が違って読める。パク・ソボ美術館の開館展《パク・ソボとフオン・ドディン:空、その充溢》も対になる。ベトナムに生まれパリで活動してきたフオン・ドディンの仕事とパク・ソボの描法を並べて掛け、絵画42点が地下2階から始まって3階で終わる。
タンセクファという言葉が見慣れないなら タンセクファとは何かから読んでもよい。その前の世代であるアンフォルメルは アンフォルメルとは?で扱う。
画家の住んでいた家は、美術館のようには動かない。部屋が小さく天井が低く、階段も狭い家である。一度に八名だけ入れるという規則も、そこから出てきた。来場者を追い返すための仕掛けではなかった。絵だけを見ていた人が絵具の跡を踏んだあとには、なぜその色がそれほど暗くなったのかが少し分かってくる。
あなたが三か所すべてへ行くか一か所だけにするかは、結局のところ予算と曜日が決める。2万ウォンを払って八名のなかに入るか、5千ウォンの券を買ってひとりでゆっくり回るか。どちらにせよ月曜さえ避ければ半分は片づくのではないだろうか。明洞の SUE GALLERYは、その月曜にも扉をひらく。11時から19時までひらき、入場料も予約もない。
ソウルのギャラリーの曜日別開館表は ソウルのギャラリーおすすめにある。無料で見られる場所は 明洞・無料で見られる展覧会ガイドと オークションのプレビュー 無料観覧で扱う。9月初めのフリーズ週間の日程は Kiaf・フリーズ・ソウル 2026 完全ガイド、美術館のほうは フリーズ・ウィークに見ておきたいソウルの美術館の展覧会と スゥ・ドーホー展を無料で見られる日もあわせてひらいてみる値打ちがある。 開催中の展覧会と アクセスもあわせて見たい。
よくあるご質問
- パク・ソボ美術館は予約が必要ですか。
- いいえ。パク・ソボ美術館の公式訪問案内は、予約なしで現場発券にて入場できると記しています。11時から入場でき、17時30分に発券が締め切られます。月曜は休館で、旧正月と秋夕の当日にも扉を閉じます。
- ユン・ヒョングンの家はいつまで見られますか。
- 2026年9月1日から10月17日までです。それ以降は2027年から春(4〜6月)と秋(9〜11月)のシーズン制で運営する予定です。事前予約制で回次あたり8名がドーセントとともに観覧し、観覧料は2万ウォンです。
- 三か所の観覧料はそれぞれいくらですか。
- パク・ソボ美術館の開館展は5,000ウォン、キム・チャンヨル 画家の家は大人5,000ウォン・青少年3,000ウォン・子ども2,000ウォン、ユン・ヒョングンの家は2万ウォンです。キム・チャンヨル 画家の家は6歳以下と65歳以上が無料で、鍾路区民と韓服着用者は50%の減免を受けられます。
- 月曜に行ける場所はありますか。
- 三か所とも月曜には扉を閉じます。キム・チャンヨル 画家の家はこれに加えて1月1日と旧正月・秋夕の当日にも休館し、パク・ソボ美術館は旧正月と秋夕の当日に休館します。あわせて見るのによい三清洞のPKMギャラリーも、火曜から日曜にしかひらきません。
- 一日で三か所すべてを見られますか。
- 可能ですが時間はぎりぎりです。三か所の運営時間がそろって重なる区間は11時から17時30分までのおよそ六時間半で、延禧洞・西橋洞・平倉洞が互いに違う区に散らばっています。時間の決まっているユン・ヒョングンの家の回次をまず予約したうえで、残る二か所を前後に配置されるほうが楽でしょう。