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シオン

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シオン
《Realmwoven ― 織られた世界》
Qこんにちは、シオンさん。自己紹介をお願いします。

こんにちは。現実と想像の世界リリランドを描いているシオンです。

リリランドはゲームのなかのファンタジーのような空間で、それぞれ異なる個性と姿をもつリリたちが暮らす村々からできています。

作家さんの描く世界、リリランドがどんなところなのか、もう少し詳しくお話しください。私たちの生きる世界はときに荒々しく、それぞれの個性が尊重されなかったり、個人の存在が薄れやすかったりしますよね。現実に合わせて生きていると、自分が誰なのかさえ曖昧になることもあります。そんな現実のなかで、私は「リリランド」という架空の世界をつくって作品に描いています。

リリランドには、それぞれ違う色と姿をもつリリたちが暮らしています。このリリたちは、私たちの心の奥に隠された感情、理想、そして表せなかった「本当の私」のかけらです。

完璧でないからこそ魅力的なリリたちは、多様な色彩と象徴で描かれます。その物語には、つらい日常のなかでもふと思い起こせる希望、慰め、そして自分自身への尊重が込められています。

絵は単に「きれいなもの」のためだけにあるのではないと思っています。自分だけの個性を見つけ、世の中の決めた基準から離れて本当の自分と向き合えるよう助ける道具です。だから絵を通して、人が自らの内なるペルソナを見出し、少しでも癒されることを願っています。リリランドは想像ではなく、そんな自分をありのままに表せる舞台なんです。

Q架空の空間リリランドを描く理由はありますか。リリランドを通して人にどんな話をしたいですか。

実は長いあいだ鬱に苦しんでいました。もっとも重く出た時期は、美大を卒業して会社勤めをしたあと、自営業をしていた頃です。仕事によって経済的な問題は満たされましたが、それより、自分のしている仕事では自己実現ができないということが耐えがたかったんです。

そうしてさまよった末に結局は絵へ戻ってきて、鬱を乗り越えるために再開した絵によって、また自分らしく生きられるようになったのだと思います。

制作は多くの感情をすり減らすのでとてもつらいのですが、やらずにはいられない宿命のようなもの。だからこれからも、自分の描きたい世界を描く作家として生きていくつもりです。

リリランドを描きはじめたのは、自分がとても暗くつらかったとき、「それでもあなたには明るく輝いてほしい」という気持ちで、心のすべてをリリに注ぎ込んだからです。

「誰もが自分自身でいられるとき、はじめて完全な世界になる。」私はこのメッセージをリリランドを通して伝えたいと思っています。ここは単なるファンタジーではなく、自分を見出し表現できる象徴的な舞台なんです。

Q展覧会の主題が「Realmwoven ― 織られた世界」ですが、説明をお願いします。

今回の個展名は「Realmwoven:織られた世界」で、「糸を編んで一枚の布をつくる」という意味のとおり、それぞれの自我とペルソナが絡み合ってつくり出すひとつの世界について語ろうとしています。本展はこれまで描いてきたリリランドの広がった世界観を紹介すると同時に、これまでのリリランドの転換点となる新しい始まりでもあります。これまでの物語が織られて、いまの作品世界をつくったのです。

まず、私の完成させたいリリランドにはいくつもの村がありますが、本展ではひとまず三つの村を紹介しようと思います。

ノクティスフェラ(Noctisfera):闇のなかに光を宿す村。孤独で静かでありながら、内なる光を保つリリたちが暮らします。

ルプステッド(Lupsted):自然の森に満ちた村。あたたかく平和な感情を象徴します。

トルトヴィス(Tortvis):「ねじれ(Tort)」と「生命(vita)」を合わせた名のとおり、歪みひずんだかたちのなかにも生命が芽吹く世界を表します。

三つの村にはそれぞれ違うリリたちが登場します。来場者は、そのリリのうち誰に似ているか自分で確かめる楽しさを味わえるはずです。本展は単に見る展覧会ではなく、参加して内面を映す「自己探索の旅」になるでしょう。

Q本展の作品には「毒キノコ」の作品も含まれていますが、これにはどんな意味が込められていますか。

毒は危険で害のあるものだと思われがちですよね。でも私は、毒が必ずしも悪いだけのものではないと思っています。人生の失敗や苦痛という「毒」が、私たちをより強くすることもあるでしょう。

私も鬱という毒があったからこそ、いま絵を描いていて、リリランドが生まれました。だから私の絵のなかの毒は「破壊」であると同時に、「変化と成長」を導く存在なんです。

Q作品を通して伝えたいことをお願いします。

本展は私の物語であり、リリたちの物語でもありますが、結局は私たちみんなの物語です。

今回のシリーズはそれぞれの物語を大きく抱えていて、それらは糸で編まれたように織られています。この個展を皮切りに、

Qこれからリリランドのリリたちがどんな物語を聞かせてくれるのかは私にも分かりませんが、私の作品から慰めを得て、それぞれ自分だけのリリに出会っていただければと思います。

散らばった自我、ペルソナたちが集まってひとつの世界を成すように、ご覧になる方もまた作品を通して癒しと自由を感じられるはずです。

「誰もが自分自身でいられるとき、はじめて完全な世界になる。」本展がそんな世界を思い描ける小さな窓になればと思います。

ありがとうございました。

※6月14日 14:00 よりオープニングパーティーを開催します。

シオン個展〈Realmwoven ― 織られた世界〉

2025.6.14 -6.27

10:30 – 18:30

SUE GALLERY:ソウル特別市 中区 南山洞2街 24-9