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チェ・ジュンサン

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チェ・ジュンサン
《わたしたちと余白》
Qこんにちは。またお会いできて嬉しいです。自己紹介をお願いします。

こんにちは。チェ・ジュンサンです。私は大真大学校で韓国画を専攻し、卒業後は音楽へ方向を変えました。6年間、本当に一生懸命に音楽をやりましたが、何の成果も道も見えず、結局は長く情熱を注いできた音楽を諦めることになりました。さまよっていた時期に、もともとやってきた絵に戻って筆を握ったところ、希望が生まれはじめたんです。

描きはじめると周囲の友人たちが良い反応をしてくれて、ありがたいことにあちこちから展示をしてみないかという話が続けて入ってきて、短い期間に多くの展示ができ、たくさんの方が私の作品を愛してくださるようになりました。

Q美術専攻から音楽へ移るのも簡単ではありませんし、絵を再開して間もないのにアートフェアでほぼ完売というのも簡単なことではありません。その理由は何だとお考えですか。

ふたたび筆を握ったのは2023年2月でした。何を描くべきか、どう表すべきか途方に暮れていたとき、フルイドアート(fluid art)の技法で制作を始めました。音楽をやっていた頃、私の音楽は大衆的なものとは距離がありました。それが大衆に届かなかった最大の理由だと思ったので、人がいちばん好きで共感できる主題として花を選びました。そうするうちに『リアリティ・トランサーフィン』『ザ・シークレット』『ウォッチング』など、引き寄せの法則や量子物理学に関する自己啓発書に夢中になって、目に見えないエネルギーを視覚的に表してみたいと思うようになりました。そのとき手がけた二つめのシリーズが Flow of energy です。

カンヴァスの上に絵具を注いで薄く広がるよう四方へ持ち上げ、一方向に高く持ち上げて速度感のある絵具の流れをカンヴァスに残し、目に見えないエネルギーの流れを視覚的に表したのです。

フルイドアートの技法によるシリーズは三つあり、その最後が年輪シリーズです。年輪シリーズはカンヴァスの中央に絵具を積み重ね、自然に生まれるレイヤーで木の年輪を表すもので、作品のなかでは年輪が鮮明に多く出るほど良く見えました。

初期のフルイドアート作品。けれど制作を重ねるほど、フルイドアートの技法では創作の欲求を表すのに限界があって、これまで試してみたかった技法をすべて一点に入れて風景を描く作品を新たに試みました。そうして生まれたのが「時間がつくった風景」です。

「時間がつくった風景」は絵具を撒くアクション・ペインティングで、モンドリアンとバーバリーから着想した線と面によるモダンなディテール、霧吹きで絵具を薄めて吹きかけて夢幻的な感じを出すこと、ナイフで削り取ってヴィンテージのムードを出すことまで、非常に多くの技法が使われています。

「時間がつくった風景」で、いま私のシグネチャーとなった山の稜線がはじめて現れます。

時間がつくった風景シリーズ。これまで過ごしてきた時間がいまの自分になるように、音楽の分野で満たせなかった芸術への思いまで含めて、こうした過程と時間と経験が絡み合って出てきたのがいまの作品なんです。皆さんがその部分に気づいて、私の作品に関心を寄せてくださるのだと思います。

Q現在の代表作である「わたしたちと余白」が本展の主題でもありますが、この作品についても説明をお願いします。

代表作の「わたしたちと余白」は、どこが終わりなのか、どこまで来たのか、これからどんな状況に出会うのか分からず不安でつらい時間を、安らかな白い余白へと裏返して表すものです。

2023年5月のひと月に、五か所で展示をしたことがありました。何か月も休まず描いて体をかなり壊していたのですが、最後の展示を終えてまた描こうとしたら、どうしても力が出ませんでした。山の稜線をいくつか描いて、数日休もうと思って描きかけの絵を部屋に立てかけておいたら、視覚的にとても安らかで静かな感じがしたんです。数日ただ眺めていたのですが、あのときのつらかった私にはとても良い、安らかで静かな感じを与えてくれました。

山の稜線の下に芝を描き入れて、安らかで静かな広い白い芝地に稜線が集まっている姿として仕上げ、そうして「わたしたちと余白」が生まれました。いくつかの作品を除いて、側面に太陽と月を描いています。その太陽と月は、自分にとって大切な何かを意味します。正面ではなく側面を選んだのは、内に抱えている大切なものを表すには、正面より側面に隠しておくほうが面白いと思ったからです。

実は最初は、自分のような新進の作家がこんなに余白の多い絵を描いてもいいのだろうかと思って、連作をためらっていました。当時の私は、余白の多い作品といえばイ・ウファンやイ・ベのような人生の年輪が豊かな重鎮が描くものではないかと思っていたからです。けれどこの「わたしたちと余白」が、これまで描いてきたなかでもっとも自分らしい作品だと思えたので制作を続け、いまではもっとも関心を寄せていただいている代表作のシリーズになりました。

Q実は作家さんとは初対面ではありませんね。昨年(2024年)、アート・スタートアップ「天下第一美術大会」とのコラボレーションで「隠れた宝物のような作家を探せ」という企画にご紹介したことがありますが、わずか数か月でこれほど急成長して作品が愛されているのを見て、嬉しく思っています。最近も良いお知らせがあったとか。

はい。あのときSUE GALLERYの館長が作品を良く見てくださって個展を提案してくださり、本当に感謝しています。その後も運よくいろいろな方に出会って、良い機会をいただきました。今回は「フィリ1926」というディフューザーブランドの代表と出会い、コラボレーションで私の作品がブランドになりました。

チェ・ジュンサンとのコラボレーションブランド「フィリ1926」ディフューザー。また今年はニューヨーク・チェルシーで開かれた「ニューヨーク・ブリッジ・アートフェスティバル」にブース作家として選ばれ、ソロブースで参加しました。ニューヨークのギャラリーが私の作品に関心を寄せてくださり、一緒に仕事をしたいという提案をいただきました。これからどんな方向で活動していくかまだ分かりませんが、こうしたさまざまな経験が今後の活動に役立つと思います。

ニューヨーク・チェルシー ブリッジ・アートフェア。本当に素晴らしいですね。これからのご活躍を楽しみにしていますし、注目される作家へと成長されることを願っています。

チェ・ジュンサン個展〈わたしたちと余白〉

2025.5.16 ~ 5.30

10:30 – 18:30

SUE GALLERY:ソウル特別市 中区 南山洞2街 24-9

チェ・ジュンサン Instagram

@coje_inthegarden

https://www.instagram.com/coje_inthegarden/