米国出身の Neil Wheelock Deforest Smith による二度目の個展「速く 円形の」を開催します。韓国およびアジアを拠点に活動してきたNeilは、韓国の伝統紙やコピー機など、身のまわりで見つけた素材を用いて、即興的で実験的なドローイングを続けてきた作家です。ソウル、ダナン、バンコク、ニューヨークなどで作品を発表し、アジアを拠点とするアート・コミュニティ「ヘチョモヨ(Hetchemoye)」の共同創立者として、ひらかれた展覧会とコミュニティ活動を活発に続けています。
本展「速く 円形の」は、即興的な手の動き、見出された素材の介入、イメージの反復と変奏という三つの軸を中心に展開します。彼にとって創作とは、「考えが手を導く過程ではなく、手が先に思考し、心が後から解釈する」逆行的な構造です。とりわけ本展の重要な転換点となった素材が韓紙です。韓紙のもつ固有の目、墨のしみ込む流れ、吸い込む速度の差などを、すでに何かが流れている世界として解釈し、即興的なイメージ生成の重要な媒介としています。
本展の中心となる概念「ミーム的美学(Memetic Aesthetics)」は、魚、目、髭、帽子といった反復する要素を通して現れます。これはイメージがいかに伝染し、変形し、増殖するのかを探る実験的な試みであり、作家は偶然と非意図性を芸術的なエネルギーとして捉え、「手が動いてはじめて頭がついてくる」という態度で、即興性・発見・反復という実験的な感覚を通して、到着しない旅の美学を展開します。